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  主婦のうつ病

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主婦のうつ病 – 症状の背景と原因

うつ病は、脳の中で情報を伝達するための神経伝達物質と呼ばれるセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンなどが減少することで心のバランスが崩れることが原因であると考えられています。
強いゆううつな気分とともに、考えがまとまらない、意欲が出ない、疲れやすい、眠れない、などの症状が長く続き、日常生活に支障をきたす病気です。

特に女性は、男性に比べて約2倍、うつ病にかかりやすいと言われています。
それは、女性はライフステージに関わらずホルモンの変化により精神的なストレスにさらされやすいこと、またライフステージが進むことによる環境の変化で、社会・家庭の中で実に様々な役割を担わなければならない負担が大きくかかるからです。人によっては一日に複数の役割を同時にこなさなければならない方もおられるでしょう。

また女性特有のものとして、更年期うつ病というものがあります。
更年期うつ病の原因の一つは、閉経によるホルモンバランスの乱れです。 女性は、女性ホルモンのバランスが崩れることにより、自律神経の調節機能が乱れやすくなります。これにより起こる諸症状を更年期症状と呼ぶのですが、これらが悪化すると、更年期うつ病を引き起こすことがあります。

その他の原因として、更年期に女性をとり巻く環境や生活に大きな変化が起こることが考えられます。子どもが自立し、母親としての役割を失ったことによる空虚感(空の巣症候群)や、夫婦関係の変化、親の介護問題など、生活環境の変化によるストレスなどがあります。

このような生活環境の変化が要因となり不安や悩みを周りに相談できず、一人で抱え込んでしまうことで、更年期うつ病の引き金となるのです。

うつ病によって引き起こされる様々な生活上の問題

うつ病の患者さんにとって、うつ病の症状は日常生活に様々な困りごとを引き起こしてしまいます。
例えば「抑うつ気分」「集中力、決断力の低下」「疲労感、倦怠感」などにより何事にも手がつかなくなったり、ミスが重なったりすることがあります。また、「寝ようとしても眠れない」「朝早くに目が覚める」などの睡眠に対する症状があらわれ、睡眠不足によって日中にぼーっとして家事に身が入らなかったり、疲れがたまってイライラがつのったりすることで、家族など人間関係に支障をきたしてしまうことがあります。

今の日本において、家庭や子育てなどは女性が大きな責任を背負っていて、周りから十分な支援を受けられないことが多くあります。
疲労感や倦怠感が溜まって家事や子育てが手に付かくなると、「専業主婦で仕事をしていないのに」と夫や姑から厳しい目で見られてしまい、家庭崩壊につながるケースもあり得ます。

また子育ての面では、

  • 夜眠ることができず、昼間に子供の前でいつも寝ている姿を見せてしまう
  • 疲れが溜まっていることからいつもイライラして、夫や子供に当たってしまう

などといったように、本来子供の規範となる行動を取るべきお母さんがこのような姿を見せてしまうことで、子供の成長に悪影響を及ぼして親子関係の悪化につながり、次の世代にもとても大きな影響を及ぼしてしまいかねません。
このようにうつ病は、放置していると日常生活に対して取り返しのつかない状況を引き起こしてしまう可能性があります。

うつ病が疑われる場合には早期に専門の医療機関へ受診し、適切な治療を受けることが大切です。

うつ病の治療方法

うつ病と診断されると、治療のためには「十分な休養」と「お薬による治療」が重要となります。また、カウンセリングなどの「精神療法」を組み合わせることで治療効果の向上、再発の予防が期待できます。

お薬による治療は、主に症状を抑えることが目的となります。最初は副作用を抑えるために少量から抗うつ薬を飲み始め、徐々に適切な量に調整していきます。抗うつ薬の効果があらわれるまでには飲み始めてから2~3週間ほどかかるため、焦らずに継続して服用していただくことが大切です。

精神療法では、カウンセリングを通して自分の性格や物事の考え方などを見直し、修正していくことで「うつ状態」になりにくい思考や行動を身に着けることを目的としています。

うつ病の治療では、気を付けるべきことが二点あります。
一つ目は、症状には波があるため、その日その日の気持ちの好調・不調状態に一喜一憂せず、治療を継続することです。
二つ目は、うつ病は再発が非常に多いということです。一時的に症状が回復したから、と治療を途中で止めてしまうと再発してしまうリスクが高まるので、医師が大丈夫と判断するまで、焦らずにしっかりと治療していきましょう。

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